フィールズには店頭に並べると、すぐに売り切れてしまう商品があります。
それが「コーヒービーンズチョコ」です。
もしかしたら「コーヒービーンズチョコ」をはじめて聞いた方がいらっしゃるかもしれませんね。簡単に説明すると、コーヒービーンズチョコはローストしたコーヒー豆を一粒ずつ、ミルクチョコレートでコーティングしたチョコレートのこと。カリッとした食感がクセになる、苦味と甘さを楽しんでいただけるチョコレートです。
一見すると、「コーヒー豆にチョコレートをかけただけでしょ?」と思われがちなこの商品ですが、実はとっても手間ひまがかかったチョコなんです。
今回この記事では、コーヒービーンズチョコを企画し、製造することになった経緯、製造するうえでのポイント、おすすめの食べ方をご紹介。コーヒービーンズチョコの知られざる裏側を、企画開発に携わったチョコレート製造担当の柳口と販売担当の山地が語ります。
本記事を読んで、フィールズのコーヒービーンズチョコを試してみようかなと思っていただけたら嬉しいです。
はじまりは、「もったいない!」
──今日はフィールズを代表する商品「コーヒービーンズチョコ」についてお二人に伺いたいと思います!よろしくお願いします。
柳口・山地:はい!よろしくお願いします。
──まず、コーヒービーンズチョコを作ることになったきっかけを教えていただけますか?
山地:私が言い出しっぺです。コーヒーチェーン店やコンビニで販売しているコーヒービーンズチョコレートをよく食べていて。甘すぎない苦味とポリポリとした食感が好きでよく食べていたんです。
フィールズはコーヒーとチョコレートを扱っているわけですから、「これすぐできるやん!」と思って(笑)。
──確かに、素材はそろっていますね。
山地:しかもフィールズはコーヒーチェーン店やコンビニとはちがって、素材選びにとことんこだわっているんですよね。焙煎士がインドネシアに通って、20年数年かけて見つけた選りすぐりのコーヒー豆とカカオ豆を扱っている。フィールズのコーヒーとチョコレートは、ひとつひとつが個性豊かで、味わい深い。
こんなに美味しいコーヒーとチョコレートがあるんだから、最高のビーンズチョコが作れるはず!作りたい!と思ったんです。
──やらない理由がない!と思ったんですね。
柳口:コーヒービーンズチョコを販売しているチョコレート屋さんって、あるのかもしれないけど見たことがないんですよね。
山地:そうそう。だから、このこだわりの素材を使って、私たちで“本気のコーヒービーンズチョコ”をつくろうと考えたんです。でも......
──でも.....?
山地:社内に企画を共有したら、「コーヒービーンズチョコって、なに?」と言われてしまって。実はほとんどのスタッフが、コーヒービーンズチョコを見たことも、食べたこともなかったんです。
柳口:私もそのうちの一人でした。
山地:みんなの反応がこんなにもイマイチということは、お客さまにもピンとこないのかなと思って、どんどん不安になっていきました。作ったものの、もし売れなかったらどうしようって。
──不安を抱えつつ、でも企画を進めていったんですね。
山地:そうですね。作ってみなきゃわからないよねということで試作することにしたんです。売れ残ったら、私が全部を買い取ります!という勢いでした。
柳口:山地さんは不安だったと思うんですが、私はコーヒービーンズチョコづくりを面白そうと感じていたし、なにより新しいものをつくりだせることがすごく楽しみでした。
24パターンの試食して見つけた究極のハーモニー
──試作はどのように進めていったんですか。
山地:まず当時フィールズで販売していた17種類のコーヒー豆から豆を選定することからはじめました。焙煎した豆をそのまま食べて、豆単体でも美味しいものを2種類ほど選びました。
──17種類もあるのに2種類にしかしぼれないということは、食べて美味しいコーヒー豆は珍しいのでしょうか。
山地:味に加えて、食感も大事にしたかったんです。噛んだときに、パリッ、ポリッというような食感を出したくて。
焙煎したての豆だったら、どの豆もパリパリしていて美味しいんですよ。でも、浅煎りの豆は煎り時間が短い分、水分量が多くて、噛んだときに、グジッとしてしまう。だから、噛みきれないというか、口の中に皮が残っちゃう感じがあって。
深煎りの豆だと水分がしっかりととんでいるので、口の中でパリッと食感よく割れてくれるんです。なので、結果的に残ったのは深煎りの豆が2種類。
柳口:コーヒー豆が決まってから、コーティングするチョコレートを一緒に選んでいきましたよね。
──チョコレートはどのくらいの種類を試されたのでしょうか。
柳口:12種類です。ビターチョコレート6種類と、それにミルクを配合したミルクチョコレート6種類ですね。
──ということは、2種類のコーヒー豆×12種類のチョコレートで計24パターンの組み合わせを試食してみたということですね。
柳口:そうですね。
──地道な作業......。試食されてみてどうでしたか?
柳口:どの組み合わせも美味しいことは美味しいんです。
山地:そうそう。可もなく不可もなくという感じで。
柳口:でも「美味しい」が急に「美味しすぎる!!!」という組み合わせがきたんですよね。
山地:ふたりして「何これ!」ってなったよね。
柳口:今まで試食してきた組み合わせは、何だったんだと思いました(笑)。
雷に打たれたような衝撃をうんだ組み合わせが、Ciwidey Wine(チウィデ・ワイン)という、別名「発酵コーヒー」と呼ばれている、フルーティーな香りとまるでワインのような風味のあるコーヒー豆と、ナッツのような味わいのgaura(ゴーラ)のミルクチョコレートだったんです。
山地:この組み合わせじゃないとダメだっていうのが、食べた瞬間にガチッと決まったよね。
柳口:即決でしたね。あまりにも美味しかったので、コーヒービーンズチョコを食べたことのないお客さまにも「美味しい」って言ってもらえるんじゃないかなと自信がつきました。
5時間かけて、丁寧に
──ベストな組み合わせを見つけるまでも手間ひまがかかっていますが、製造するうえで大変なことはありますか?
柳口:小さいコーヒー豆に、チョコレートを均等にかけていくのが本当に大変です。機械ではできない仕事なので、製造は全部手作業でやっているんですよ。
──手作業で.....!?どのくらいの時間がかかるのでしょうか。
柳口:20瓶つくるのに、5時間かけています。コーヒー豆にとにかくたくさんのチョコレートを何層も何層も重ねていくんですが、一度に巻けるのがせいぜい50g。本当に地道な作業です(笑)。
山地:えらいものを企画してしまったなと思ってます(笑)。
柳口:(笑)。製造に時間がかかってしまうので、つくれても20瓶が限界。もっと多くの方に手にとっていただきたいと思いつつも、店頭に出すとすぐに売り切れてしまうので、お客さまに申し訳ないなと思っていて。
どうにかつくれる個数を増やせないかと試行錯誤した結果、60瓶つくれるようになりました!
──それは朗報ですね!!
山地:そうなんです!製造個数が増えることで、多くのお客さまにこの美味しさを味わっていただけると思うと嬉しいです。
柳口:まだコーヒービーンズチョコを食べたことのない方、「販売開始したら、Instagramでお知らせしてください」と販売を心待ちにしてくださっているファンの方、久しぶりに購入しようかなと思った方、いろいろな人にこの商品が届くといいなと思います。
寝かせると熟成する風味
──最後に、コーヒービーンズチョコのオススメの食べ方があれば教えてください!
柳口:ぜひ、1ヶ月ほど熟成させてから召し上がってみてください。少し時間をおくことで、ワインの風味があるコーヒー豆の香りが一段とたつようになります。奥深い風味へと変化するんです。
山地:一瓶を一気に食べるのではなく、5〜6粒を少しずつ食べていただいて、熟成されていくワインをたしなむかのように、味の経過を楽しんでいただきたいです。
柳口:あとは、ホットミルクと合わせて食べていただくのもオススメです。使っているコーヒー豆がミルクによくあうし、コーティングチョコレートもミルクを配合しているので、相性抜群です。ホットミルクでほろほろ溶けていくチョコレートの甘さとコーヒー豆の苦味が優しく口の中に広がっていきます。
──一瓶でさまざまな楽しみ方ができる。それがコーヒービーンズチョコの魅力でもありますね。
山地:はい!コーヒービーンズチョコについてご質問や試食のご希望があれば、ぜひ店頭にいるスタッフに気軽にお声がけいただければと思います。
▼コーヒービーンズチョコが購入できる場所
・店頭
コーヒービーンズチョコをご試食いただけます。スタッフにお声がけください。